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福島地方裁判所 平成10年(行ウ)7号 判決 1999年6月22日

福島県大沼郡会津高田町大字吉田字村中乙二一一番地

原告

長嶺力

福島県会津若松市城前一丁目八二番地

被告

会津若松税務署長 木津谷壽夫

右指定代理人

近藤裕之

大類真紀雄

坂本善信

栗野金順

安斎守

草野謙治

佐藤富士夫

佐藤正春

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

一  主位的請求

1  被告が平成九年一一月二八日付けでした原告の平成八年分の所得税の更正のうち、課税所得金額九一万六九四五円を超える部分を取り消す。

第二事案の概要

一  本件訴え提起に至る経緯

1  原告は、地方公務員としての給与所得のほかに農業所得を有し、配偶者を扶養して、老親(母)の医療費を支出している。原告は、平成八年分所得税につき、平成九年二月一七日、別紙一の確定申告欄の総所得金額、医療費控除の金額、配偶者特別控除欄のとおり記載した確定申告書を被告に提出した(以下「本件確定申告」という。)。

これに対し、被告は、平成九年六月一九日付けで、別紙一の更正処分欄記載のとおりの更正処分をした。原告は、右処分を不服とし、同年八月一二日、被告に対して異議申立てを行ったが、被告は同年一一月一二日付けで、右異議申立てを棄却した。原告は、これを不服として、同月二八日、国税不服審判所長に対して審査請求をした。

2  他方、被告は、同年一一月二八日付けで、別紙一の再更正処分欄記載のとおり再更正処分をした(以下「本件処分」という。)。原告は、本件処分を不服として、平成九年一二月一日、被告に対して異議申立てを行った。これに対して被告が、国税通則法九〇条一項に基づき、右の異議申立てに係る申立書等を国税不服審判所長に送付するとともに、原告にその旨を通知し、同条三項に基づき、同所長に対して審査請求がされたものとみなされたため、同所長はこれを前記審査請求と併合した上で審理を行い、平成一〇年七月九日付けで、請求をいずれも棄却する旨の裁決をした。

3  原告は、右裁決を不服として、本件処分について、平成一〇年九月一日、本件確定申告の課税所得金額を超える部分の取消しを求めて本件訴えを提起した。

二  請求原因

被告は、原告が本件確定申告において、課税総所得金額を九一万六九四五円と申告したことに対し、主として、お茶の水クリニック(以下「クリニック」という。)におけるいわゆる自然食品の購入費やクリニックへの通院費等が医療費控除の対象となる医療費と認められないことを理由に、右申告に係る医療費控除額を認めず、課税総所得金額を一四五万六四五五円として本件処分を行った。

かかる本件処分は、所得税法(以下「法」という。)七三条二項及び所得税法施行令(以下「施行令」という。)二〇七条の解釈を誤り、幸福追求権(憲法一三条)によって保障されるべき、原告のクリニックで診療を受ける権利を侵害した違法な処分である。

よって、原告は、本件処分のうち、課税総所得金額九一万六九四五円を超える部分の取消しを求める。

三  被告の主張

1  原告の平成八年分の総所得金額は四五八万七八〇五円であり、医療費控除の金額として認められるのは原告申告に係る四五万九〇七〇円の内一一万九五六〇円、配偶者特別控除の金額として認められるのは原告申告に係る二八万円内八万円であるから、課税所得金額は、総所得金額四五八万七八〇五円から、右各控除額とその他の控除額を合計した三一三万一三五〇円を差し引いた一四五万六四五五円となるので、本件処分は適法である。

2  原告は、本件確定申告において、以下のとおり、合計五五万九〇七〇円の医療費を支出したとして、右同額から、法七三条一項所定の差引額である一〇万円を引いた四五万九〇七〇円を医療費控除の金額として申告した。

(一) 原告自身のクリニックでの診療に関して、医師に支払った診療費等として五万三五六〇円、治療、療養に必要な医薬品の購入費(以下「医薬品等購入費」という。)として三一万六五七〇円及び通院費等として八万〇九八〇円の合計四五万一一一〇円(詳細は、別紙二中1項の「原告申告の支払医療費の額」欄記載のとおり。)。

(二) 原告自身の高田厚生病院での診療に関して、診療費等として二万二八九〇円(詳細は、別紙二中2項の「原告申告の支払医療費の額」欄記載のとおり。)。

(三) 原告の母長嶺ヨシイ(以下「ヨシイ」という。)の高田厚生病院での診療に関して、診療費等として支出した五〇万〇三七〇円から、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額(以下「給付補てん金」という。)四七万六三〇〇円を差し引いた二万四〇七〇円(詳細は、別紙二中3項の「原告申告の支払医療費の額」欄記載のとおり。)。

(四) ヨシイに対する小遣い五万五〇〇〇円と国際自然医学会への入会金六〇〇〇円の合計六万一〇〇〇円。

3  しかしながら、原告の右申告には、以下のとおり、法、施行令及び本件通達が規定する医療費と認められないものが含まれている。

(一) 原告自身のクリニックでの診療に関して支出された医薬品等購入費は、その全額が、原告が、クリニックを開設している森下敬一医師(以下「森下医師」という。)の指導に基づき購入した強化食品、薬草茶等のいわゆる自然医食品の購入費である。しかし、クリニックにおける診療は、森下医師の独自の医学理論に基づく治療であり、薬事法二条一項に規定する医薬品に該当しないし、かかる自然医食品の購入費用は、社会通念上、医師による診療又は治療の対価あるいは疾病の治療又は療養に必要と認められる医薬品の購入の対価といえないから、医療費控除の対象とならない。

ところで、原告は、施行令二〇七条に定める医療費控除の対象となる「医療費」に原告がクリニック等から購入した自然医食品の購入費が含まれないとすれば、施行令二〇七条は憲法一三条に反する旨主張する。

しかしながら、施行令二〇七条の規定する「医療費」に右自然医食品等の購入費が含まれないとしても、そのことによって原告が自然医食品等を購入することが制限されるわけでなく、ただ単に自然医食品等の購入費が医療費控除の対象とされないというだけである。そもそも、租税法の定立については国家財政、社会経済、国民所得、国民生活等の実態について正確な資料を基礎とする立法府の裁量的判断に委ねられているのであって、その裁量的判断が著しく不合理であることが明らかでないかぎり違憲とはならない。所得税法の医療費控除の制度は、医療費が多額で異常な支出となる場合における担税力の減殺を調整する目的で創設されたものであり、所得税の公平な負担を図るための制度であるから、法七三条二項及び右条項の委任を受けた施行令二〇七条が医療費控除の対象となる「医師又は歯科医師による診療又は治療の対価」及び「治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価」を社会通念に従って判断することとしていることが著しく不合理であるといえないことは明らかである。したがって、いずれにしても施行令二〇七条が憲法一三条に違反する旨の原告の主張は失当である。

(二) また、原告自身のクリニックでの診療に関して支出された通院費等には、平成八年三月二五日及び八月九日に妹宅に宿泊した際の手土産代各五〇〇〇円、八月一〇日に自然医食レストラン「ユニオン」での昼食代一四〇〇円及び一二月二七日に番町グリーンパレスに宿泊した宿泊費一万四四二〇円が含まれている。しかし、これらはいずれも医師等による診療等を受けるため直接必要な費用であると認められないから、医療費控除の対象にならない。なお、他方において、原告はバス及び地下鉄運賃を五万五一六〇円と申告しているところ、五万五四七〇円が正当と認められるので、差額三一〇円が通院費用として認容できる。

以上によれば、原告自身のクリニックでの診療に関する診療費等について医療費控除の対象となる医療費は、一〇万九〇三〇円となる(以上の詳細は別紙二中1項の「医療費控除の対象となる医療費の支出金額(被告主張額)」欄記載のとおり。)。

(三) ヨシイの高田厚生病院での診療に関して支出された診療費等五〇万〇三七〇円には、材料費として、ヨシイの衣類のクリーニング代二万〇四九〇円が含まれている。しかし、これは医師による診療又は治療の対価とは認められない。したがって、ヨシイの高田厚生病院での診療に関して、医療費控除の対象となる医療費は四七万九八八〇円である(別紙二中3項の「医療費控除の対象となる医療費の支払金額(被告の主張額)」欄記載のとおり。)。

(四) 原告は、その他の経費として、ヨシイに対する入院中の小遣いと国際自然医学会への入会金を医療費として申告しているが、これらはいずれも医師等による診療等を受けるための直接必要な費用として認められないから、医療費控除の対象にならない。

なお、他方において、原告が高田厚生病院に預託した金銭からヨシイの紙おむつ代八万七六四〇円が支出されているところ、これは医師等による診療等を受けるための直接必要な費用に該当するから、同額については医療費控除の対象たる医療費とみることができる。

したがって、医療費控除の対象となるその他の経費の金額は八万七六四〇円である(別紙二中4項の「医療費控除の対象となる医療費の支払金額(被告の主張額)」欄記載のとおり。)。

(五) このように、医療費控除の対象となる医療費の金額は六九万九四四〇円となり、給付補てん金四七万九八八〇円及び法七三条一項所定の一〇万円を差し引くと、原告の平成八年分の医療費控除の金額は一一万九五六〇円となる。

四  原告の反論

1  被告の主張1の内、医療費控除に係る主張を争い、その余は争わない。

2  被告の主張2の事実を認める。

3  被告の主張3について

(一) クリニックは、国際自然医学会会長である森下医師が、東西両医学を止揚して確立した浄血自然医食療法という独自の自然医学理論に基づいて、諸々の難病の根治を図るべく開設したものであり、そこでは玄米・菜食・健康強化食品、薬草・野草茶を用いた診療が行われている。このような革新的なクリニックの診療は、法や施行令が想定していないものであるから、それらの適用に際しては、クリニックの診療の実態を精査して正義と衡平の観念や公共の福祉にもっとも適合するように、これを解釈しなければならない。とりわけ、今日、医療費の範囲が極めて狭く定められており、実情に沿わない面があると指摘されているのであるから、被告においては、法や施行令の不備を補う合理的な解釈を行わなければならない。しかるに、被告は、かかるクリニックの特殊性を無視し、医薬品と見なすべき自然医食品の購入費用について医療費控除を認めなかったのであり、本件処分は違法である。

(二) 原告が、クリニックでの診療を受ける際に要した通院費等は、森下医師から、クリニックにおける診療の際は、親戚等の家に宿泊して、通常の生活状態で来所するように指示されたために要した支出であり、医師等による診療等を受けるため直接必要な費用というべきである。

(三) 被告は、国際自然医学会への入会金が、医師等による診療等を受けるため直接必要な費用であると認めない。しかし、クリニックの診療は、国際自然医学会の特別会員を対象とした予約制となっているのであって、国際自然医学会への入会金は、クリニックでの診療をうけるための初診料と評すべきものであるから、医師等による診療等を受けるため直接必要な費用というべきである。

第三判断

一  原告が、本件確定申告において、(1) 森下医師の指導に基づき購入した自然医食品の購入費、(2) 妹宅に宿泊した際の手土産代、(3) 自然医食レストランでの昼食代、(4) 番町グリーンパレスの宿泊費、(5) ヨシイの衣類のクリーニング代、(6) ヨシイへの入院中の小遣い、(7) 国際自然医学会への入会金(以下これらの支出を「本件支出」という。)を、医療費控除の対象となる医療費として申告したこと、被告が、本件支出を医療費控除の対象となる医療費と認めず、本件処分を行ったことは当事者間に争いがなく、弁論の全趣旨によれば、その他の課税根拠について争いがあるとは認められないから、以下、本件支出が医療費控除の対象となる医療費であるかについて判断する。

二  原告が森下医師の指導に基づき購入した自然医食品の購入費について

1  証拠(甲ニ、三、乙三の二ないし一〇、七)及び弁論の全趣旨によれば、森下医師は、クリニックにおいて、浄血自然医食療法なる独自の自然医学理論に基づいて、諸々の難病の根治を図るとして、玄米、菜食、健康強化食品、薬草・野草茶を用いた独自の診療を行っていること、原告は、クリニックにおいて、同医師の診療を受けるとともに、同医師から「食餌箋」の処方を受け、「食餌箋」に記載された「チャイハナ」及び「春寿仙」をクリニックにおいて合計一三万四四一五円分、「薬草茶」及び「医食品」を森下自然医食品グルージア(法人名有限会社グリーンハートハウス)において合計一八万二一五五円分購入したこと、「チャイハナ」は、プーアル、ウーロン、サフランを原材料として混合した健康茶であり、「春寿仙」は、田七人参、杜仲茶、霊芝を原材料とした加工食品、「薬草茶」は、ドクダミ、ヨモギ等を原材料とした薬草茶、「医食品」は、ハト麦、小麦、大豆を主原料とした穀物加工食品のパンダンM及びエゾウコギを主原料とした清涼飲料水のアルガトン等の医食品であること、これらの健康茶、加工食品、薬草茶及び医食品は、いずれも薬事法二条一項に規定される医薬品には該当しないことが認められる。

2  医療費控除の制度は、医療費が多額で異常な出費となる場合における担税力の減殺を調整する目的で創設されたものであり、医療費控除の対象となる医療費の範囲について規定した法七三条二項が、「通常必要であると認められるもの」と定め、右規定の委任を受けた施行令二〇七条が「その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」と定めた上で、控除の対象となる費目を限定的に列挙していること、そして右制度が所得税の公平な負担を図るためのものであることに鑑みると、医療費控除の対象となる、医師等による「診療又は治療」の対価(施行令二〇七条一号)や「治療又は療養に必要な医薬品の購入」の対価(同条二号)とは、いずれも社会通念上、疾病の診療又は治療としてあるいは疾病の治療又は療養のために必要と認められるものに限られるというべきである。

ところが、1で認定したとおり、原告が購入した自然医食品なるものは、独自の医学理論に基き独自の治療法を行うという森下医師の処方した「食餌箋」なるものに基づく、およそ薬事法二条一項に規定される医薬品に該当しようもない、健康茶、加工食品、薬草茶、食品の類であり、原告が主観的にその医学的な効能をいかに信奉していたとしても、社会通念上、右自然医食品の購入費用をもって、疾病の診療又は治療として必要な対価とも、疾病の治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価とも認めることができないことは明らかである。

したがって、被告が自然医食品の購入費について医療費控除の対象となる医療費と認めなかったことに違法はない。

なお、原告は、施行令二〇七条が、西洋医学における医薬品については医療費控除の対象としながら、自然医食品については控除の対象にしないと定めるものとすれば、正義と衡平の観念に反し、原告がクリニックにおいて診療を受ける権利を侵害し、ひいては憲法一三条の幸福追求権を侵害する憲法違反の法令であると主張するかのようであるが、医療費控除の範囲か否かの判断は、課税の衡平の観点から、社会通念に照らして判断すべきものであること、医薬品と認められず、その結果、その購入代金について医療費控除が認められなかったとしても、原告が前記自然医食品を購入すること及びクリニックにおいて診療を受けることを侵害することにはならないこと、租税法の定立については立法府の裁量的判断に委ねられ、その裁量的判断が著しく不合理であることが明らかでない限り違憲とはならないと解されることに照らせば、原告の右の主張は採用することができない。

三  原告が妹宅に宿泊した際の手土産代、番町グリーンパレスの宿泊代について

1  所得税基本通達七三―三(以下「本件通達」という。)は、控除の対象となる医療費の範囲について、「次に掲げるもののように、医師等の診療等を受けるため、直接必要な費用は医療費に含まれるもの」とし、具体的には、「医師等による診療等を受けるための通院費若しくは医師等の送迎費、入院若しくは入所の対価として支払う部屋代、食事代等の費用又は医療用器具等の購入、賃借若しくは使用のための費用で、通常必要なもの」等を列挙している。本件通達は、医療費控除制度の創設後の社会保険制度の充実や医療技術の進歩に伴って、医療費性が明確でかつ控除の対象とすることに問題のない医師等に対する診療等の対価よりもこれに附随ないし関連する費用の負担の方が重くなっている状況となったことから、このような実状を踏まえて、施行令二〇七条の定めを前提とし、施行令の定める医療費の範囲を基本通達により明らかにする方法で、いわば施行令の解釈として、医療費として控除される範囲を運用の実際において実質的に拡大したものである。このような本件通達の趣旨、性格からすれば、本件通達の定める医療費の範囲が施行令二〇七条の規定による制約の範囲内に止まるべきであるのは当然であって、本件通達により医療費控除の対象となる「医療費」と認められるためには、施行令に定められている「医師等による診療等」を受けるために直接必要な費用に限定されることはいうまでもない。したがって、宿泊費が、医療費控除の対象と認められる場合は、本件通達の運用においても、医師等の診療等のため入院の必要があるものの、病室やベッドが空かないためやむを得ず病院等で準備した宿泊施設に宿泊するなど、入院とほぼ同じ状況にあると認められる場合で、右宿泊場所が医師等の診療等のための管理責任下にあるなどの客観的な要件を備えているような、極めて例外的な場合とされているところであり、右実務上の取扱いは十分に合理性を有するものというべきである。

2  原告が主張するところによれば、番町グリーンパレスの宿泊代や妹宅に宿泊した際の手土産代は、森下医師が診療の際には親戚等に宿泊して通常の生活状態で来所するように指示したことによって必要になった宿泊のための費用であるというに過ぎないのであるから、医師による診療又は治療を受けるために直接必要な費用と認めることができないことは明らかというべきであり、医療費控除の対象と認めることはできない。

したがって、被告が番町グリーンパレスの宿泊代及び妹宅に宿泊した際の手土産代について医療費控除の対象となる医療費と認めなかったことに違法はない。

四  国際自然医学会への入会金について

原告は、国際自然医学会は森下医師がその会長を務めている団体であるから、国際自然医学会への入会金は、森下医師のクリニックで診察を受けるための初診料と評すべきものであると主張する。

しかしながら、右は原告の独自の主張に過ぎず、原告が出費したものは文字どおり学会の会費であって、医師による診察又は治療の対価とも、診察又は治療を受けるために直接必要な費用とも認めることができないことは明らかである。

したがって、被告が国際自然医学会への入会金について医療費控除の対象となる医療費と認めなかったことに違法はない。

五  自然食レストランでの昼食代、ヨシイの衣類のクリーニング代、ヨシイへの入院中の小遣いについて

自然食レストランでの昼食代、衣類のクリーニング代や母親への小遣いが、医師による診察又は治療の対価や診察又は治療を受けるために直接必要な費用と認めることができないことはいうまでもない。

したがって、被告が、自然食レストランでの昼食代、ヨシイの衣類のクリーニング代やヨシイへの小遣いについて医療費控除の対象となる医療費と認めなかったことに違法はない。

六  なお、原告は、原告宅に赴いて関係法令等について原告に対して説明を行った被告所部職員の態度、対応を論難するが、原告の主張内容は、本件処分に手続上の違法があることを疑わしめるものではない。

七  以上によれば、被告が行った本件処分は適法であり、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 生島弘康 裁判官 髙橋光雄 裁判官 堀部亮一)

(別紙一) 課税の経緯一覧表

<省略>

(別紙二)「平成8年分 支払医療費の明細書」

1 お茶の水クリニック関係

<省略>

2 高田厚生病院(長嶺力)関係

<省略>

3 高田厚生病院(長嶺ヨシイ)関係

<省略>

4 その他

<省略>

5 その他

<省略>

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